その昔20世紀初頭から半世紀、日本では民謡、流行歌、歌謡曲、演歌が主流でした。
それらの楽曲は演奏家(時にオーケストラ)と歌い手がセットで生歌唱、生演奏です。
それらと並行して50年~60年代、アメリカやヨーロッパからロカビリーやフォークソングなど自ら演奏して歌うスタイルが出てきます。
もちろん生歌唱、生演奏。これらの土壌では、聴き手は目の当たりにする歌い手の、その時々の生の声や歌い方が大きな要素として存在します。
いわゆる人間味です。
プレスリーやボブ・ディランの歌はまさに人間味溢れるもの。
そしてクリックの無い、ボーカルと演奏の「ゆらぎ」がありました。
もちろんその後のロックンロールやポップ・ミュージックも同じです。
これらの新しい音楽の波は日本でもしっかりと根付き、特に若者は今までに無かった新しい音楽の虜になりました。
たくさんの同ジャンルの歌い手が現れ、日本人的な情緒を取り入れながら浸透していきました。
そしてこれらの音楽は日本人にもギターやピアノなど、1人でも自ら演奏して歌う楽しさも教えてくれたのです。
もう一つ、この音楽の多様性の中で電気楽器の出現があります。
特にロックンロールの出現でエレキギターやキーボードなど、アコースティックでは味わえない演奏の幅が広がったことも見逃せません。