そんな中、ボカロを語る上での歴史的な重要事件が二つ起こります。
一つは1970年代後半YMOの出現です。
これで一気にデジタル!という「音楽革命」が起こります。
このあたりまで、デジタルという言葉は世間的にはまだ文字先行だったかもしれません。
音楽を聴く媒体もアナログのいわゆる黒板(くろいた=レコード盤のことをこう呼んでいた)からデジタル録音・再生の CD(コンパクトディスク)へと移行を始めた時期でもありました。
そこへYMOの音とライブの様、ファッションなどが注目され、シンセサイザーの多様な音色に対し当時音楽好きの人ならずとも「新しい音楽だ」と、かなりのインパクトで世の中に浸透していったのです。
YMOにも影響を与えたと言われるドイツのクラフトワークというユニットがありましたが、その楽曲は当時斬新過ぎてマニアはともかく一般リスナーにはあまり響きませんでした。
それに引き換えYMOはとにかくポップなメロディで一度聴いたら忘れられない魅力がありました。
そして普通の人々の中にも圧倒的に浸透していったのです。