今までとは明らかに一線を画した音楽の登場!
しかし、歌唱(MCも)は「ヴォコーダー」を使ってのもので、人間の生声(歌)を変換しての出力なので、根底にはゆらぎがありました。
YMOが名盤『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」を発売した同じ79年に流行ったバグルスの『ラジオスターの悲劇』はエフェクト・ヴォイスにゆらぎが無く、後のボカロを彷彿とさせるものでした。
YMOでいえば1983年に発売された「君に胸キュン」ではそれまでのヴォーコーダーを使った楽曲ではなく、高橋幸宏さんのキュートなボーカルがまさにゆらぎを体現したものでした。
CMとの連動曲だとはいえYMOの楽曲の中で一番売れた! というのも頷けるものでした。
二つ目の重要な出来事は、時をほぼ同じくして大ヒットしたコンピューターゲームの出現です。
まずはコンピューターゲームの普及の礎を作った「インベーダーゲーム」です。
誰もが百円玉を脇にタワーのように積み上げてゲームに挑んでいました。
一気にコンピューターゲームが身近な存在となり、のちにゲーム内に使われる音楽やサウンドエフェクトが話題となります。
ともあれ、このデジタル音楽の幕開けによって、日本人が音楽の多様性をさらに受け入れることとなり、ボカロをジャンル化する扉の鍵を開けたのは間違いありません。